SNSやメイキング動画で広く流布している技法の中には、リアル志向の作画において逆効果となってしまう誤解が散見されます。
最大の落とし穴は「白目(強膜)をカラーパレットの純白(#FFFFFF)で塗ってしまう」ことです。強膜は半透明の結膜に覆われた有機体であり、眼窩(頭蓋骨のくぼみ)の奥に位置するため、光が直接当たる状況であっても明度は70〜85%程度に留まります。純白で塗りつぶすと目が画面から浮き上がり、いわゆる「貼り付けたような不自然さ」の原因となります。青みがかったライトグレーや、肌の色を微量に反射したウォームグレーを下地にし、ハイライト部分のみに純白を乗せるのが正解です。
また、「ハイライトをとにかく大きく、大量に入れる」という手法もリアリティを損ねます。反射光が散乱しすぎると角膜の滑らかな鏡面反射が表現できず、プラスチックのようなチープな質感になってしまいます。メインのハイライトを1箇所に絞り、サブの反射光は不透明度を落として配置する「引き算の美学」が不可欠です。