「自覚症状がないから」と経過観察 放置するとどうなるのでしょうか。医療機関の相談窓口や知恵袋、SNSのコミュニティには、放置によって後悔の念を抱える患者たちの生々しい声が溢れています。
「会社の健診で3年連続で『便潜血反応陽性・要経過観察(再検査)』と書かれていたが、痔のせいだと思い込んで病院に行かなかった。4年目に腹痛と血便で受診したときには、進行性の大腸がんでステージ3Bまで進んでおり、リンパ節郭清を伴う大手術になった」(40代男性の手記より)
「クレアチニン値の軽度上昇を数年間スルーしていた結果、気づいた時には慢性腎臓病(CKD)がステージ4まで進行しており、人工透析の一歩手前まで腎機能が失われていた」(50代女性の体験談)
日本内科学会や人間ドック学会の追跡データでも、経過観察指示を受けた人のうち、実際に指定期間内に再検査を受診する割合は約30〜40%程度にとどまるという実態が浮き彫りになっています。約6割の受診者が実質的に「無断放置」しているのが現状です。
見落とされがちな盲点として、経過観察 医療保険の告知義務の問題があります。生命保険や医療保険、がん保険に新規加入する際、健康診断の結果や医師からの診断について正確に告知する義務が課されます。「経過観察の指示を受けていること」を隠して保険に加入した場合、将来いざ給付金を請求する段になって「告知義務違反」と判定され、保険契約の解除や給付金の不払いといった重大な金銭トラブルに発展するケースが多発しています。経過観察中であっても、医師の指示内容は厳格に記録されている事実を認識しなければなりません。