伝統的な民間療法において、石蕗の葉は内服・外用の両面で極めて重宝されてきました。先人たちが経験則から見出し、現代の研究でも一部の成分特性が解明されている代表的な使い方は以下の通りです。
1. 腫れ物・おでき・打撲に対する「炙り葉湿布」
最も有名な民間療法が、しわぶき葉を使った腫れ物の吸出し湿布です。生葉を水洗いした後、火にかざしてしんなりと柔らかくなるまで炙り、葉の裏側の薄皮を剥がすか揉みほぐして患部に貼り付けます。
葉に含まれる精油成分(ヘキセナールやセスキテルペン類)やタンニンが持つ局所消炎作用と収斂作用により、おできの排膿を促し、打撲や虫刺されの熱感を鎮める目的で広く用いられてきました。
2. 喉の痛み・咳を鎮める「しわぶ葉茶・煎じ液」
「しわぶき」の名が示す通り、乾燥させた葉を煎じて飲むお茶や煎じ液は、頑固な咳や気管支の不快感、扁桃腺の腫れを抑えるために飲用されてきました。また、食中毒や魚の毒(特にフグや青魚の中毒)に対する民間解毒薬として用いられた記録も残されています。