ストリートウェア市場において、設立から年月を経てもなお熱量が落ちず、むしろ加速度的に国際的評価を高めているブランドは極めて稀です。「HUMAN MADE なぜ人気なのか?」という疑問の答えは、単なるトレンドの枠に収まらない「偏愛的なモノづくり」と「世界水準のコミュニティ形成」にあります。
「Gears for futuristic teenagers」に込められたヴィンテージの再構築
ブランドコンセプトである「Gears for futuristic teenagers(過去と未来の融合)」が示す通り、HUMAN MADEの根底にあるのは1950〜60年代のアメカジ、ミリタリー、ワークウェアに対する狂気的なリスペクトです。世界屈指のヴィンテージコレクターとして知られるNIGO®氏は、自身の膨大な実物アーカイブを解体・研究し、現代の技術で再現不可能な旧式織機による風合いや、当時の縫製仕様を忠実にプロダクトへと落とし込んでいます。
そこにキャッチーな動物モチーフやユーモラスなグラフィックが融合することで、「ヴィンテージの玄人が唸るディテール」と「若い世代や海外ファンが一目で魅了されるポップさ」という二律背反の魅力が同居しているのです。
NIGO®のデザイナー経歴とグローバルな影響力
ブランドを語る上で、NIGO デザイナー 経歴の特異性は外せません。1990年代初頭、高橋盾氏と共に原宿に「NOWHERE」をオープンし、裏原宿カルチャーの爆発的ムーブメントを牽引。その後、世界的アイコンとなった経歴を持ちます。2020年代以降はLVMH傘下の名門メゾン「KENZO」のアーティスティックディレクターにアジア人として初めて就任するなど、ラグジュアリーとストリートの架け橋として前人未到のキャリアを築き上げました。
ファレル・ウィリアムスをはじめ、リル・ウージー・ヴァートやエイサップ・ロッキー、さらには国内のトップクリエイターまで、錚々たるセレブリティが私生活で自然体で着用している姿が、広告費を投じたマーケティング以上の信憑性をブランドに与えています。
A BATHING APE(BAPE)との違いと独立の経緯
多くの新規ファンが気になるのが「A BATHING APE 違い 経緯」です。NIGO®氏が1993年に立ち上げたA BATHING APE(BAPE)は、カモフラージュ柄やシャークフーディーに代表される派手で主張の強いグラフィック、オーバーサイズなシルエットが特徴でした。
しかし、ブランドの巨大化と会社売却(2011年の香港ITグループへの売却、2013年のクリエイティブディレクター退任)を経て、NIGO®氏が「本当に自分が今着たい、妥協のない大人の日常着」をゼロから追求するために立ち上げたのがHUMAN MADEです。派手な記号性で消費されるストリートウェアから脱却し、素材感やクラフトマンシップ、大人の遊び心を主軸に置いたアプローチこそが、両者の根本的な差異と言えます。