救急搬送の受け入れ拒否や「救急たらい回し」が長年社会問題視されるなか、年間数万件におよぶ救急車を受け入れ続ける同院の救命救急センター(ER)。2026年現在、その圧倒的な現場力を底上げしているのが、新世代のAI画像診断システムとリアルタイム・トリアージ支援技術の全面導入だ。
患者がERに到着した瞬間、CTやMRIの撮影データは即座に高度AIプラットフォームへ転送される。脳卒中、急性心筋梗塞、あるいは大動脈解離といった致命的な微細病変がわずか数秒でスクリーニングされ、優先して処置すべきリスクが可視化される仕組みだ。ベテラン医師の鋭い直感と高度なデジタル頭脳の融合が、搬送から処置開始までの「ゴールデンタイム」を大幅に短縮した。
「1分1秒の判断遅れが後遺症の有無や生存率を直接左右する。AIという頼れる相棒を得たことで、現場の迷いは消え、救命への確信度が一気に高まった」。現場で指揮を執る救急医は、その手応えを語る。