『ゴーマニズム宣言』の影響力を語る上で外せないのが、1990年代後半に刊行された『戦争論』です。大東亜戦争の意義や自虐史観からの脱却を説いた同書は、数百万部を超えるベストセラーとなり、日本の右傾化現象や歴史認識論争の火付け役となりました。
しかし小林氏の筆鋒は、固定化したイデオロギーに安住することはありませんでした。その後もイラク戦争批判、原発問題を扱った『脱原発論』、パンデミック下の過剰規制を撃った『コロナ論』など、読者の予想を裏切る論陣を次々と展開。常に自身の直感と論理を信じて既存の陣営を飛び越える姿勢こそが、30年以上にわたって言論空間に爪痕を残し続けている原動力です。