雄英高校の生徒たちは、誰一人として「モブ」ではなかった。麗日お茶子が抱いた「ヒーローが辛い時に誰がヒーローを守るのか」という問いかけは、物語の最終盤における最大のテーマとなった。彼女の叫びが、避難民たちの頑なな心を溶かしたシーンは、涙なしには読めない。
耳郎響香や常闇踏陰、さらにはB組の物間寧人まで、全員に見せ場が用意されていた。堀越耕平のキャラクターに対する深い愛情が、コマの端々から伝わってくる。一人ひとりが異なる背景を持ち、異なる理由でヒーローを目指す。その多様性こそが、この群像劇の最大の魅力であり、読者が自分自身を投影できる余白を生み出していた。