主人公・猫猫との主従関係は、本作の最も魅力的なダイナミズムの一つだ。玉葉妃は猫猫の卓越した知識と技術を認め、相応の対価と信頼を与える。決して身分を笠に着て無理難題を押し付けることはない。猫猫が自由に動けるだけの裁量権を与えつつ、決定的な場面では自らが盾となって彼女を守る。
このような「部下の才能を信じて任せる」マネジメントスタイルは、現代のフラットな組織論にも通じるものがある。上下関係を超えた二人の奇妙な信頼関係は、殺伐とした後宮の中で唯一のオアシスとして機能しており、読者に強い安心感を与えている。