リニア中央新幹線の開業を見据え、名古屋駅周辺は劇的な変化を遂げた。高層ビルが立ち並び、古い雑居ビルは次々と姿を消している。柳橋中央市場もその例外ではない。地価の高騰や後継者不足により、かつての賑わいは形を変えつつある。歴史ある個人店が消えゆく中、この場所で暖簾を掲げ続けることの意味は重い。
開発の波は止められない。しかし、すべてを新しくすればいいというわけではないはずだ。古いコンクリートの床、煤けた壁、そして長年使い込まれた羽釜。これらすべてが、料理の隠し味になっている。私たちは今、利便性と引き換えに、かけがえのない文化を失おうとしているのかもしれない。