吉田豪氏のインタビューが語り継がれる背景には、講談社『週刊現代』で連載され大論争を巻き起こしたノンフィクション作家・溝口敦氏による著書『魔女の履歴書』の存在があります。この書籍では、細木数子氏の出自、暴力団関係者との親交、巨額の金銭トラブルなど、テレビでは決して明かされない過去の経歴が白日の下に晒されました。
テレビ局各社が視聴率欲しさに細木氏をアンタッチャブルな権威として崇める中、吉田豪氏はあえてそのタブーに踏み込みました。「世間からどれだけ叩かれようと、自らの力で生き抜いてきた」という細木氏の強烈な生存本能を、インタビューを通じて浮き彫りにしたのです。
細木氏が編み出したとされる「六星占術」や、運気の停滞期を指す「大殺界」という概念は、単なる占いの域を超えて社会現象となりました。1980年代から2000年代にかけて出版された占い本は累計発行部数1億部を突破し、「世界で最も売れた占い本」としてギネス世界記録にも認定。その莫大な富の源泉にあったのは、霊能力というよりは卓越した人間観察力と、大衆の不安を捉えるプロデュース能力でした。