科学的に呪いが否定されているにもかかわらず、なぜ多くの人々が「画像を見て体調を崩した」「強烈な恐怖を覚えた」と証言するのでしょうか。掲示板やSNS上の書き込みを分析すると、人間心理の根深い防衛本能が見えてきます。
コミュニティ上の生の声では、「夜中に一人で見たら心臓がバクバクして眠れなくなった」「視線を感じるようで絵から目を離せなかった」という反応が多数を占めます。これらはオカルト現象ではなく、以下の脳科学・認知心理学的プロセスによって説明されます。
第一に、「不気味の谷現象」と「パレイドリア(錯視)」です。ベクシンスキーの作品や立島氏の絵画には、人間を連想させつつも歪められたプロポーションや、暗闇から覗く眼窩のような意匠が巧みに配置されています。人間の脳の扁桃体は「人間の顔」に極めて敏感であり、崩れた顔や異常な形状を感知すると即座に危険シグナルを出力します。
第二に、「ノーシーボ効果(逆プラセボ効果)」です。「これを見ると呪われる」という事前の強いネガティブな暗示を与えられた状態で視覚的ショックを受けると、脳が強いストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリン)を分泌し、実際に動悸、眩暈、不眠といった身体症状を引き起こします。ネット上の「見た後に事故に遭った」という体験談も、恐怖によって注意力散漫になった結果か、偶然の出来事を結びつける「確証バイアス」に過ぎません。