「ショップで試着したときは完璧なシルエットだったのに、洗ったら全く別物になってしまった」――。メンズの生デニム購入者が直面するトラブルのほとんどは、デニム特有の「収縮現象(シュリンク)」に対する理解不足から生じています。
生デニムは織機から織り上がった後、防縮加工(サンフォライズド加工)や毛焼き処理を施さずに糊が付いたまま製品化されます。この状態の生地は、水を通すことで綿繊維の撚り(より)が急激に戻り、大幅に縮む性質を持っています。ネット通販や店頭でジャストサイズを選んでしまうと、最初の洗濯でウエストが1〜2サイズ分も縮小し、ボタンが留まらなくなるという悲劇が起こるのです。
もう一つの典型的な失敗が「購入直後の裾上げ」です。店頭で糊がついた硬い状態のままレングスを合わせて裾上げしてしまうと、ファーストウォッシュ後に股下が数センチ単位で短くなり、想定していた裾のクッションやロールアップの幅が完全に狂ってしまいます。デニム職人やリペア工房の関係者も「生デニムの裾上げは必ず最初の糊落としと完全乾燥を終えてから行うのが鉄則」と口を揃えます。