ネット上の一部では「阿部アナはNHKから懲戒解雇されたのではないか」という誤った言説が見受けられますが、これは明確な事実誤認です。公式な人事記録上、阿部アナの退局はあくまで本人からの申し出による「依願退職」として処理されています。
日本の労働法制およびNHKの就業規則において、私生活上の不貞行為のみを理由として社員を懲戒解雇に処することは法的に極めて困難です。業務上の横領や重大な法令違反がない限り、強制的な解雇は解雇権の濫用とみなされるリスクを孕むためです。NHKとしても、正式な懲戒処分に向けた調査を長期化させれば、週刊誌による追撃報道が続き、受信料制度を支える視聴者からの批判がさらに激化することは目に見えていました。
つまり、「依願退職」という着地点は、これ以上の組織的ダメージを避けたいNHK側と、これ以上の私生活の暴露を防ぎたい阿部アナ側の利害が一致した結果によるものと考えられます。退職金をめぐる詳細な取り決めは公表されていませんが、規定に基づいた自己都合退職の手続きが粛々と進められたのが実情です。