新居への転居時は、数十枚から100枚近くの資材が一度に発生するため、通常のゴミステーションや店頭ボックスでは収拾がつきません。こうした引っ越し段ボール大量処分には、特有の段取りが存在します。
引越し作業を専門業者(サカイ引越センター、アート引越センター、日本通運など)に依頼していた場合、契約プラン内に「段ボール無料回収サービス」が含まれているケースが一般的です。ただし、この権利を行使するには明確な条件が課されていることが少なくありません。業界各社の契約約款を精査すると、「引き取り期限は作業完了後3か月以内」「回収依頼は1回限り無料、2回目以降は有償(約3,000円前後)」「自社ロゴ入り専用段ボールのみ対象で、通販等の他社箱は混入不可」といった規約が定められています。引越し後の片付けを始める前に、見積書や契約書面の回収規定を確認しておく必要があります。
一方、自力での引越しや回収期限切れによって途方に暮れた際、選択肢に浮上するのが段ボール即日回収業者です。電話一本で自宅の玄関まで引き取りに来てくれる即応性は魅力ですが、利用には段ボール処分費用と無料の条件を巡るシビアな現実があります。基本的に民間の不用品回収業者が段ボール単体で「完全無料」の出張回収を行うことは構造上あり得ません。古紙原料の市場売却益(1kgあたり十数円程度)では、トラックの燃料代や作業員の人件費を到底賄えないためです。
そのため、即日回収を依頼する場合は「基本出張料3,000円〜5,000円+資材処分料」が発生するのが健全な相場です。ポスト投函チラシや街頭スピーカーで「どんな段ボールも完全無料で即日回収」と巡回している無許可の軽トラック業者に依頼した場合、荷積み後に「運搬費は別」「規定サイズ外だから有料」と数万円の不当請求を突きつけられる消費者トラブルが後を絶ちません。行政の一般廃棄物収集運搬許可の有無や事前見積もりの明細確認を怠ってはなりません。