渡辺泰子さんは、裕福で規律ある家庭環境で育ちました。父親は東京電力の幹部社員であり、社内でも優秀な技術者として知られた人物です。彼女自身も優秀な頭脳に恵まれ、難関として知られる慶應義塾大学経済学部へと進学。当時はまだ女性の大学進学率や総合職採用が極めて限られていた時代において、先駆的なキャリアウーマンとしての道を歩み始めました。
大学卒業後の1980年、父親と同じ東京電力へ女性総合職の草分けとして入社。企画部などで経済調査やエネルギー問題のレポート執筆を担当し、その緻密な分析力は社内外で高く評価されていました。当時としては破格の高年収を得ており、周囲からは順風満帆なエリートコースを歩んでいると見られていたのです。