物語の中盤で強烈なインパクトを残すのが、すずめと草太が訪れる「山の上にそびえる廃遊園地」です。霧深い山林の中に錆びついた観覧車やジェットコースターが佇む描写は、映画屈指の名シーンとして知られます。
このロケーションのモデルとして最も有力視されているのが、兵庫県神戸市北区にかつて存在した「神戸森林植物園」周辺の山岳景観や、過去に閉園した遊園地跡地です。さらに、岡山県倉敷市の鷲羽山ハイランドが持つ「山頂から海を見渡す絶景ロケーション」とコースターの配置が、美術設定にインスピレーションを与えたのではないかと考察されています。
動かなくなった観覧車のゴンドラ内で繰り広げられるドラマチックな扉閉じのシーンは、昭和から平成にかけて各地に作られ、やがて時代の波に消えていった遊園地文化へのオマージュとも言えるでしょう。