景観の美しさと居住性の高さを誇ったスターハウスが、昭和40年代以降に新築されなくなり、さらに現代において次々と解体された背景には、都市構造の変化と避けられない技術的限界がありました。
第一の理由は、「敷地あたりの居住密度の低さと建設コスト」です。1棟でわずか12〜15戸程度しか収容できないスターハウスは、外壁面積が広く配管経路も複雑なため、戸あたりの建設費が板状住棟よりも大幅に割高でした。高度経済成長がピークを迎え、さらなる大量供給が求められる中で、公団の主流は中高層・超高層の大規模フラットへと舵を切ることになります。
第二の決定打となったのが、「エレベーター後付けの構造的不可能性」です。築50〜60年が経過し居住者の高齢化が進む中、UR都市機構は団地再生においてバリアフリー化を推進しました。しかし、スターハウスは中央の三角形階段を取り囲む構造上、外壁にエレベーターシャフトを増設して全戸へ公平にアクセスさせることが物理的に困難を極めました。
配管の老朽化、耐震基準の更新、そして土地の高度利用という時代の要請が重なり、全国のスターハウスは建て替え事業に伴って急速に姿を消していったのです。