これから綿矢りさの著作に触れる読者に向けて、文体の変遷と魅力を凝縮した必読の5冊を厳選しました。
- 『蹴りたい背中』(河出文庫)
高校という閉塞空間で、陸上部の男子の背中に執着する少女の孤独を描いた芥川賞受賞作。触れがたい他者への苛立ちと憧憬を、研ぎ澄まされた比喩で描いた青春文学の金字塔です。 - 『勝手にふるえてろ』(文春文庫)
中学時代の片思いの相手「イチ」と、現実でアプローチしてくる同期「ニ」の間で揺れるOLの自意識を描いた傑作喜劇。映画版(松岡茉優主演)とともに高い評価を得ました。 - 『私をくいとめて』(朝日文庫)
おひとりさま生活に慣れきった30代女性が、脳内相談役「A」と対話しながら久しぶりの恋に踏み出していく物語。孤独と自由の本質を軽妙に浮き彫りにします。 - 『生のみ生のままで』(集英社文庫)
惹かれ合う2人の大人の女性が、社会的制約の中で関係を紡いでいく圧倒的な純愛小説。官能と叙情の極致を描き、川端康成文学賞を受賞しました。 - 『パッキパキ北京』(集英社)
コロナ禍の北京を舞台に、たくましく生きる日本人女性の日常をハイテンションに綴った話題作。異文化の混沌と笑いを描いた近年の代表作です。