岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の最大の目玉は、何と言っても1階航空エリアに鎮座する三式戦闘機二型「飛燕」(国指定重要航空宇宙遺産)の実機展示です。第二次世界大戦当時、川崎航空機(現・川崎重工業)岐阜工場で製造された液冷エンジン搭載の名機であり、徹底した修復・復元作業を経て、当時の無塗装ジュラルミンの輝きと構造美を今に伝えています。エンジン部分や機体内部のディテールを間近で観察できる構造展示は、技術史的にも極めて高い価値を誇ります。
さらに見逃せないのが、日本の航空機開発の原点ともいえる「十二試艦上戦闘機」(後の零式艦上戦闘機・零戦)の初号機の実物大模型です。堀越二郎技師をはじめとする設計陣の情熱と苦闘の歴史が、詳細な解説パネルや当時の設計図面とともに立体的に浮かび上がります。戦前・戦中の機体だけでなく、戦後の国産旅客機「YS-11」や各種実験機の実機がずらりと並ぶ光景は、まさに日本の航空技術進化のパノラマです。
2階の宇宙エリアへと歩みを進めると、人類の宇宙探査のフロンティアが眼前に広がります。実物大で再現された国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の内部ウォークスルー展示では、宇宙飛行士の船内生活や無重力環境での実験風景をリアルに疑似体験できます。小惑星探査機「はやぶさ2」の実物大模型や火星探査ローバーなど、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の最新ミッションに直結する展示も豊富で、知的好奇心を刺激してやみません。