昭和から平成にかけてサザエさんを楽しんだ世代にとって忘れられないのが、『火曜日のサザエさん』(1975年〜1997年放送)の存在です。日曜の本放送とは別に、火曜夜7時から過去の名作を再放送する枠が設けられ、主題歌も水前寺清子や堀江美都子が歌う別バージョンが使用されていました。週に2度サザエさんを観られる贅沢な編成は、当時のフジテレビにおける圧倒的なコンテンツ力を物語っています。
また、演出面でのアイコニックな変化として有名なのが歴代エンディングの演出です。1970年代の一時期、サザエが大きな栗やリンゴ、バナナなどの果物の中から飛び出す演出が採用されていました。現在定着している「サザエを先頭に家族全員が家に吸い込まれていく」演出や、じゃんけんコーナー(1991年秋まではサザエがクッキーを放り投げて口でキャッチする演出)へと変遷していった背景には、視聴者参加型エンターテインメントへの進化がありました。
さらに、番組の顔であるオープニングの観光地巡りは、1974年4月からスタートした歴史ある企画です。地方自治体や観光協会とのタイアップ形式で日本各地の歴史遺産や特産品を紹介するスタイルは、アニメツーリズムの元祖としても高く評価されています。