順風満帆に見えたキャリアの途上、心身のコンディションを整えるための休養期間を経験した虹郎。光が強いほど影も濃くなる表現の世界において、彼が直面したプレッシャーは計り知れない。その苦難の時期を静かに、そして確かな温もりで見守り続けたのが父・村上淳だった。
過剰な干渉をせず、同じ役者という険しい道を歩んできた先輩として、ただそこに居続けること。言葉少なに交わされた対話が、虹郎の表現欲を再び灯すきっかけとなった。充電期間を経て再びカメラの前へと戻ってきた彼の瞳には、以前にも増して深みと凄みが宿っている。試練を乗り越え、表現者として完全復活を遂げた息子の姿を、父もまた誇らしげに見つめているに違いない。