日本のサブカルチャーにおいて、瓶底メガネは長年ひとつのアイコニックな記号として愛されてきました。アニメや漫画の古典的な演出では、分厚い渦巻きレンズを描くことで「冴えないガリ勉キャラ」「内気なオタク」「世間知らずの研究者」といったパーソナリティを一瞬で読者に伝達する役割を果たしています。
この演出の真骨頂といえるのが、「メガネを外すと実は美少女(または超美男子)」という定番のギャップ描写です。顔の半分を覆っていた渦巻きメガネという遮蔽物が取り払われた瞬間に、隠されていた端正な素顔や魅力的な瞳があらわになる演出は、物語の転換点やキャラクターの魅力開花を強烈に印象付けるギミックとして機能してきました。
しかし、近年のキャラクター描写では単なる「ダサさの象徴」にとどまらず、あえてレトロな瓶底風メガネをアクセサリー感覚で愛用するサブカル女子や、知的なアンバランスさを楽しむ個性派キャラクターも増加しています。「コンプレックスの象徴」だった重厚なメガネが、文脈の転換によって「愛嬌」や「あざとい魅力」へと昇華されている点は、現代カルチャーにおける興味深い変遷です。