語彙の厳密な定義に立ち返る際、指標となるのが辞書編纂の現場だ。『新明解国語辞典』や『大辞林』を手がける三省堂の記述を紐解くと、「画期」とは「新しい時代を開くほど目覚ましいこと」と定義されている。単なる性能向上や小規模な改善はこれに当たらない。何かしらの「時代区分」が発生して初めて成立する表現なのだ。
また、文化庁が定期的に発表する国語に関する世論調査や公用文作成の指針を見ても、言葉の多用・形骸化に対する警鐘は常に鳴らされている。実態の伴わない誇大表現は、受け手に不信感を植え付けるリスクを孕む。公的なコミュニケーションや研ぎ澄まされた報道記事において、この言葉が極めて慎重に配置される理由はここにある。