ガス火や炭火での調理と、伝統的な藁焼きには決定的な違いが存在する。藁は燃焼速度が極めて速く、瞬間的に超高温に達する。これにより、カツオの繊細な身に余計な熱を通すことなく、表面だけを一瞬で焼き固めることが可能になるのだ。さらに、燃焼時に生じる藁特有の煙が魚の生臭さを消し去り、力強い芳醇な燻製香を纏わせる。
もちろん、土台となるカツオ自体の質も揺るぎない。黒潮が育んだ一本釣りのカツオは、船上で徹底した温度管理が行われ、港へ水揚げされたその日のうちに捌かれる。鮮度抜群の弾力ある身質と、藁火の魔術。高知の海と大地の恵みが揃って初めて、この奇跡的な味わいが完成する。