日本国内でこの植物の商業化にいち早く挑み、道を切り拓いたパイオニアが存在する。国立大学法人佐賀大学農学部の野並浩教授を中心とする研究チームだ。過酷な環境ストレス耐性を研究する過程でそのポテンシャルに着目し、独自の養液栽培技術を確立。こうして誕生したのが、ブランド野菜の先駆けとなった「バラフ」である。
佐賀発のイノベーションを皮切りに、国内各地で品種改良やブランド化が加速した。みずみずしさとやわらかな食感を際立たせた「プッチーナ」など多彩なブランドが市場に登場。現在では天候リスクを完全に遮断した閉鎖型植物工場でのクリーンな生産が進み、農林水産省が推進するスマート農業政策とも連動しながら、次世代アグリテックの象徴的な機能性野菜として確固たる地位を築いている。