史跡高松城跡には、国の重要文化財に指定されている貴重な建物が複数現存しています。なかでも北の丸に建つ「月見櫓(つきみやぐら)」(着見櫓)は、船の出入りを監視するために海に面して建てられた三層三階の隅櫓です。白漆喰総塗籠の美しい外観と、海側へ突き出した武者窓が特徴で、現存する城郭建築として極めて高い歴史的価値を誇ります。
本丸と並ぶ中心施設が、三の丸に佇む「披雲閣(ひうんかく)」です。もともと江戸時代にあった藩主の御殿は明治時代に老朽化のため解体されましたが、大正6年(1917年)に旧高松藩主・松平家当主によって松平家の別邸として再建されました。伝統的な和風住宅様式に西洋の近代技術を取り入れた大正建築の傑作として、国の重要文化財に指定されています。
披雲閣の本館内部は、伝統文化の展示会や茶会などのイベント時に一般公開されるほか、枯山水と蘇鉄が調和した広大な庭園(国指定名勝「披雲閣庭園」)は常時散策可能です。大正ロマンの薫り漂う木造建築の重厚な佇まいは、建築ファンならずとも息をのむ美しさです。