小池知事が初出馬時に掲げた「7つのゼロ」(待機児童、介護離職、残業、都道電柱、満員電車、多摩格差、ペット殺処分)は、キャッチーなフレーズとして有権者の心を掴みました。では、3期目に突入した現在、その公約達成状況はどう評価されているのでしょうか。報道各社の調査や東京都の公式統計データから、冷徹に実績を検証します。
最も明確な成果を挙げたのは「待機児童ゼロ」です。都独自の保育士確保策や認可外保育施設への補助拡充、区市町村との連携が進んだ結果、2016年時点で8,000人以上存在した待機児童数は激減し、ほぼ達成に近い水準まで改善しました。また、「ペット殺処分ゼロ」に関しても、動物愛護相談センターの譲渡推進や保護団体との連携により、殺処分数は大幅に削減され、公約の趣旨は高度に具現化されました。
一方で、厳しい評価を下さざるを得ない項目も存在します。「満員電車ゼロ」は、時差通勤(スムーズビズ)の推進や新型コロナウイルス禍に伴うテレワーク普及で混雑率自体は一時緩和されたものの、ハード面の抜本的改革や2階建て通勤電車の構想などは頓挫しました。社会構造の正常化に伴い都心の混雑率は再び上昇しており、完全な達成には至っていません。
また、「電柱ゼロ」は幹線道路を中心とした無電柱化が進むものの、莫大な埋設コストと工期の長さがネックとなり、多摩地域や住宅密集地での進捗率は低迷。「多摩格差ゼロ」についても、行政サービスの一部是正は見られるものの、医療アクセスや交通網、経済力における区部と市町村部の格差は依然として横たわっています。耳目を集めるスローガンと、行政が直面する構造的・物理的制約のギャップをどう埋めるかが、常に問われ続けています。