コース沿道を取り囲む観衆の熱気もさることながら、画面の向こう側の熱狂も過去にない規模へ膨れ上がっている。かつては地上波やBS日テレの生中継をテレビの前で正座して観るのが駅伝観戦の常識だった。だが今や、その風景は一変した。TVerによる高画質なリアルタイム配信、そしてYouTubeを駆使した学校別のダイジェストや定点カメラ映像。スマートフォンひとつあれば、推しの選手がどの区間でどんな表情を見せていたかを瞬時に追体験できる。
この変化は、スポーツ報道・メディア産業全体にも強烈なインパクトを与えている。大手のテレビ局が独占していた中継権や映像コンテンツのあり方が再定義され、地方の小さな中学校の奮闘記がSNSを通じて瞬く間に数万回シェアされる。メディアの多層化は、マイナーとみなされがちだった中学生の駅伝を、一大エンターテインメント、そして全国的なドラマへと押し上げる原動力となった。