失意の解散から10年が経過した2007年、映画『ソウ4』のテーマ曲「I.V.」の制作を契機に、YOSHIKIとToshlが劇的な再会を果たし、X JAPANは再結成されます。しかし、ステージ上にはHIDEの姿はありませんでした。この巨大な空白を埋めるという、誰にとっても過酷すぎる重責を引き受けたのが、LUNA SEAのギタリストであるSUGIZOでした。
hideの実弟である松本裕士氏をはじめ、メンバー全員の熱烈な要請を受け、SUGIZOは2009年5月に「6人目のメンバー」として正式加入します。SUGIZOは加入に際し、「HIDEさんの代わりは世界中のどこにもいない。自分はHIDEさんの魂を背負い、HIDEさんのギターフレーズを愛を持って再現するメッセンジャーに徹する」という固い覚悟を明かしました。SUGIZOの卓越した演奏力とヴァイオリンを取り入れた重層的なアレンジは、X JAPANに世界標準のダイナミズムを再注入することに成功しました。
しかし、第2章の安定期を支えていた土台が、突如として崩れ去ります。2023年10月29日、ベーシストのHEATHが大腸がんのため55歳で死去しました。体調不良を訴えて医師の診察を受けた際には、すでにがんが進行しており、発覚からわずか数ヶ月という早すぎる旅立ちでした。寡黙でストイック、常に完璧な体型と演奏クオリティを維持し、派手なメンバー間の諍いからも一歩引いてバンドを温かく見守り続けたHEATHの死は、メンバーの心を激しく打ちのめしました。2023年11月に都内で行われた「HEATH お別れ会-献花式」には、YOSHIKI、PATA、SUGIZOが参列し、遺影に向かって深い祈りを捧げました。この時、公の場に姿を見せなかったToshlの存在が、再び様々な憶測を呼ぶこととなったのです。