バターとマーガリンを区別する根幹は、使われている原材料とその製造プロセスにあります。バターの主原料は牛乳から分離した生クリーム(乳脂肪)です。生クリームを激しく撹拌(チャーニング)して脂肪球を集め、練り上げて作られます。日本の食品表示基準(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)では、乳脂肪分80.0%以上、水分16.0%以下と厳格に定められています。
一方、マーガリンの主原料はコーン油、大豆油、菜種油、パーム油などの植物性油脂です。植物油に水や食塩、乳化剤、ビタミン類などを加え、冷やしながら練り固めて製造します。元々は19世紀後半のフランスで、軍用および庶民向けに高価なバターの代用品として開発された歴史を持ちます。
動物性脂肪であるバターは、約30〜36度という人間の体温に近い温度で溶けるため、口に入れた瞬間に広がる芳醇なコクと滑らかな口どけが際立ちます。対する植物性油脂主体のマーガリンは、冷蔵庫から取り出してすぐにパンへ塗れる「伸びの良さ」と、クセのないすっきりとした後味が強みです。