姿消した興福寺五重塔の現在地!約120年ぶり大修理の工期と再開の真相

姿消した興福寺五重塔の現在地!約120年ぶり大修理の工期と再開の真相

姿消した興福寺五重塔の現在地!約120年ぶり大修理の工期と再開の真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

古都・奈良を訪れた人々を驚かせている興福寺五重塔が見られない理由は、老朽化した文化財を抜本的に治療するための大規模保存修理「興福寺 令和の大修理」が本格化しているからです。塔の外周は現在、風雨を防ぎ精密な修繕作業を行うための巨大な仮設建造物である「素屋根(すやね)」によって完全に遮蔽されています。

今回の修理は、明治34(1901)年から明治36(1903)年にかけて行われた修理以来、実におよそ120年ぶりとなる事業です。寺院関係者や文化庁の調査によると、長年の風雨にさらされた屋根瓦の破損やズレが深刻化し、木材を接合する土の流出や雨漏りによる内部構造材の腐朽が各所で確認されていました。高さ約50メートルから瓦が落下すれば参拝者への甚大な被害にもつながりかねず、現状維持の小手先補修では建物の寿命を保てない段階に達していたことが、着工の直接的な背景です。

一部の観光客の間では「五重塔がバラバラに解体されてしまったのか」という誤解も散見されますが、薬師寺東塔で行われたような基礎からすべてを取り外す全解体ではありません。今回の工事は、傷んだ屋根瓦をすべて下ろして傷んだ木部を補修し、漆喰の塗り替えや耐震補強を施す「興福寺五重塔 解体修理(部分解体修理)」の手法をとっています。歴史的建造物の風格を保ちつつ、構造の安全性を飛躍的に高めるための極めて繊細な手術が、白壁に包まれた内部で着々と進められています。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。