二人の関係を決定づけたのが、1962年に公開され日本映画史に残る金字塔となった映画『座頭市物語』での共演でした。中村玉緒 勝新太郎 共演映画の中でも特別な位置を占める本作で、勝さんが演じる盲目の居合斬りの達人・市と、玉緒さんが演じる薄幸のヒロイン・おたねの息の合った掛け合いは、観客のみならず映画関係者をも唸らせました。
名門歌舞伎一門の令嬢である玉緒さんとの交際に対しては、当初、周囲からの慎重論や家柄の違いを危惧する声も少なくありませんでした。しかし、勝新太郎さんの情熱は揺らぎませんでした。伝えられる勝新太郎 プロポーズ エピソードによると、勝さんは「お前を一生幸せにする。俺についてこい」という男気あふれる言葉とともに、自身の弱さもすべてさらけ出し、玉緒さんの両親へも誠意を尽くして直談判を重ねました。
玉緒さん自身も、型破りでありながら誰よりも繊細で芸に対して純粋な勝さんの人間性に強く惹かれ、1962年3月、二人はついに結婚を発表しました。豪華絢爛な披露宴は昭和芸能界の歴史を飾る大ニュースとなり、映画ファンから熱狂的な祝福を受けました。