バナナの血糖への影響を語る上で見逃せないのが、「追熟による糖質の質的変化」です。バナナのGI値(食後血糖上昇指数)は一般的に45〜55程度の「低〜中GI食品」と分類されますが、この数値は果皮の状態によって激しく上下します。
未熟な青いバナナには、小腸で消化されず大腸まで届く「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」が豊富に含まれています。これは血糖値を極めて穏やかに保ち、腸内環境を整える素晴らしい生理活性を持ちますが、血中グルコースを早急に補う機能はほぼ皆無です。
一方、室温で保存され皮に黒い斑点(シュガースポット)が現れた完熟バナナでは、デンプンの大半が分解され、単糖類や二糖類へと転換されています。GI値は60前後に達し、消化酵素への親和性も格段に高まります。つまり、もし低血糖からの回復後や、間食として血糖値を下支えする目的でバナナを活用するのであれば、「シュガースポットが出ている完熟バナナ」を選ぶのが生化学的な正解となります。