厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」の最新データを分析すると、建築士全体の平均年収は約650万円から700万円前後の水準を推移している。しかし、この数字はあくまで全体の平均に過ぎず、取得している資格の種別によってその内訳は大きく分かれる。
最も高い水準を誇るのが1級建築士だ。平均年収は700万円〜900万円程度と高く、大型商業施設や超高層ビルなどの複雑な設計を手掛けられる強みがある。一方で、戸建て住宅や小規模建築を中心に担う2級建築士の平均年収は450万円〜600万円ほどにとどまる。さらに木造建築に特化した木造建築士の場合、400万円〜500万円前後が相場となっており、扱える建造物の規模と構造の複雑さがそのまま年収の差として反映される構図が浮き彫りになっている。
過去数年間の年収推移を見ると、建材価格の高騰や人手不足の影響を受けつつも、有資格者に対する需要自体は高止まりしている。特に高度な構造計算や環境性能評価に対応できる人材の市場価値は急速に上昇中だ。