会社が退職金を用意してくれない以上、個人ができる最大の防衛策は税制優遇制度の使い倒しだ。2026年現在、個人の資産形成において必須のインフラとなったのが「新NISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の併用である。
iDeCoは、拠出時・運用時・受取時の3段階で強力な節税効果を発揮する。特に毎月の掛金が全額所得控除になるため、節税しながら「自分専用の退職金」を積み立てられる点が最大の強みだ。会社員であれば月額上限2万3,000円(※制度改定による上限変更の動きにも注視が必要)まで拠出でき、長期運用によって退職金控除の枠を活用した受取が可能になる。
一方、非課税保有期間が無制限化された新NISAは、途中で引き出せる柔軟性が魅力だ。急なライフイベントや転職時のバッファーとしても機能するため、iDeCoで固く老後資金をロックしつつ、新NISAで流動性のある資産を増やすという二輪駆動が、現代の標準的な自衛スタイルとなっている。