洋食の街としての歴史をもつ神戸だが、いま最もホットな視線が注がれているのが「ネオ洋食」と呼ばれる新潮流だ。大正・昭和から続く老舗の名店で修業を積んだ次世代の料理人たちが、伝統のデミグラスソースに独自のアプローチを加えて次々と独立開業している。数日かけてじっくりと煮込まれる濃厚なソースの深みはそのままに、和の調味料やスパイスを隠し味に効かせた味わいは鮮烈の一言に尽きる。
カニクリームコロッケのサクッとした歯ごたえ、じっくり仕込まれたビフカツの圧倒的な柔らかさ。どこか懐かしくも全く新しい一皿を求めて、元町や三宮の路地裏には連日長い行列ができている。古き良き港町の美学と現代的なセンスが融合した皿の上には、神戸洋食の確かな未来が描かれている。