メガホンを取った山田洋次監督の演出は、徹底したリアリズムと情愛に満ちていた。製作を務めた松竹のスタジオには、常に妥協のない緊張感と家族のような温もりが同居していたという。単なる喜劇の枠組みにとどまらず、人間の可笑しみや悲哀を鮮やかに描き出した物語構造こそ、本シリーズが誇る最大の強みである。
スクリーンに映し出される日本の原風景と、そこに生きる人々の喜怒哀楽。一流のスタッフとキャストが総力を結集して作り上げたこの究極のヒューマンドラマは、現代社会が失いかけた「人と人とのつながり」の大切さを、静かに、しかし強く問いかけてくる。