城山公園の頂にそびえる館山城。かつて安房国を治めた戦国大名・里見氏の居城跡として知られるこの史跡も、大きな変革の最中にある。歴史ファンだけでなく、若い世代や外国人観光客を引き寄せるのは、全域で展開されるAR(拡張現実)ガイドシステムだ。
スマートフォンやスマートグラスをかざすと、かつての城郭や城下町の賑わいが目の前の風景に重なるように立体再現される。単に古い資料を展示する時代は終わった。南総里見八犬伝の舞台となったこの地の物語を、体感型のデジタルエンターテインメントとして再構築したことで、歴史保全と観光ビジネスの理想的な融合モデルが誕生している。