阪神タイガースでスターダムを駆け上がり、メジャーリーグベースボールのニューヨーク・メッツやサンフランシスコ・ジャイアンツでも快足を飛ばした新庄剛志。日本へ復帰し、北海道日本ハムファイターズで有終の美を飾るまで、彼のプレイグラウンドは常に輝いていた。
渡米当時、現地のアメリカ人選手たちは彼が使用する年季の入った使い古しのグラブを見て目を丸くしたという。メジャーではメーカーから支給される新品のグラブを次々に試す選手が大半を占める中、手垢とオイルで黒光りする道具を慈しむ姿は、異色の存在感を放っていた。彼にとってスポーツギアとは、単なる消耗品ではなく、己の魂を注入する神聖な道具だったのだ。