この奇妙な風習のルーツを辿ると、かつて匿名掲示板の「5ちゃんねる」に投稿された数々のオカルト体験談に行き着く。事故物件に住む投稿者が「部屋が臭くてファブリーズを撒いたら怪奇現象が収まった」と書き込んだことがすべての始まりだったとされる。デジタル空間の口伝は、またたく間に広がった。
時代が下るにつれ、怪談の形態は文字から動画へとシフトした。若者たちは恐怖に直面したとき、古風な儀式ではなく身近な日用品に救いを求める。ネット空間が生み出した現代の都市伝説は、冗談と切実な恐怖が入り混じった独自のカルチャーとして定着したのだ。SNS時代の拡散力は、ただの日常品を一夜にして魔除けのアイテムへと仕立て上げた。