あの日、オリンピックのコートで流した涙は無駄ではなかった。2024年のパリ大会で見せた死闘から2年。2026年現在の張本智和は、心身ともに一回りも二回りもスケールアップした姿を見せている。
かつては試合の流れによってプレーが極端に左右される場面も見られた。しかし、今の彼にその脆さはない。1セットを落とそうが、相手に大量リードを許そうが、顔色ひとつ変えずに戦術を即座に修正する。その佇まいは、コート上の冷徹な戦術家そのものだ。世界ランキング上位を維持する重圧の中で、彼は今も進化の途上にあることを自らの打球で証明し続けている。