鹿児島や宮崎などの焼酎本場において、客をもてなす最高峰の手法として受け継がれてきたのが「前割り(まえわり)」です。
焼酎前割り作り方の手順は至ってシンプルです。清潔な密閉ガラス瓶やすり鉢状の陶器(焼酎サーバー・甕)に、好みの比率(基本は焼酎6:水4)で焼酎と軟水を合わせ、常温または冷蔵庫で2日〜3日間寝かせるだけです。
飲む直前にグラスで混ぜ合わせた水割りと前割りの決定的な違いは、水とアルコール分子の「クラスター(集合体)構造」にあります。水とエタノールを長時間をかけて静置すると、水素結合によってアルコール分子の周囲を水分子が隙間なく包み込みます。これにより、アルコール特有のピリッとした刺激が完全に消え去り、驚くほどまろやかでシルキーな舌触りに昇華します。
蔵元の杜氏も「水割りの真価は前割りに宿る」と語るほどで、あらかじめ仕込んでおけば、晩酌時にグラスへ注ぐだけで極上の一杯が完成します。