検索エンジンやSNS上で「豊受大神」と入力すると、「怖い」「厳しい」といった関連ワードが散見されます。慈愛に満ちた食物の神であるはずの豊受大神が、なぜ畏怖の対象となるのでしょうか。
その背景には、外宮の別宮である多賀宮(たかのみや)に祀られる「豊受大御神荒魂(あらみたま)」の強烈なエネルギーがあります。神道の概念において、和魂(にぎみたま)が穏やかな恵みをもたらすのに対し、荒魂は物事を前進させる激しい動的な力や、時には天変地異を引き起こすほどの荒々しい神威を象徴します。
豊受大神がもたらすご利益は、衣食住の安定、商売繁盛、産業振興、開運招福と極めて広大です。生活の根幹を支える神だからこそ、不誠実な動機や不敬な態度での祈願に対しては厳しい戒めが下るという信仰心理が、「怖い神様」という畏怖の念を生み出しました。神聖で厳格な神気を感じ取る参拝者が多いことの証左でもあります。