種無しぶどうはなぜ種がない?危険性の真相とジベレリン処理の仕組み

種無しぶどうはなぜ種がない?危険性の真相とジベレリン処理の仕組み

種無しぶどうはなぜ種がない?危険性の真相とジベレリン処理の仕組みについての真相をお届けします。

店頭に並ぶ種無しぶどうは、生まれつき種ができない特別な新種というわけではありません。本来は種ができる品種に対して、開花前後にジベレリン処理と呼ばれる技術を施すことで、人為的に種を作らせずに果実だけを成長させています。

ジベレリンとは、1926年に日本の農学者・黒沢英一氏がイネの「ばか苗病」研究の過程で発見した天然由来の植物ホルモンです。すべての植物体内に普遍的に存在し、発芽や開花、細胞の伸張をコントロールする役割を担っています。

ぶどうを種無しにする具体的な作り方は、基本的に以下の2段階で行われます。

まず1回目の処理では、満開の約10〜14日前(品種により異なる)に、房全体をジベレリン水溶液に浸漬します。これにより花粉の発芽や受精が阻害され、受精が行われないまま果実が育つ「単為結果(たんいけっか)」が誘発されます。通常なら種ができない実は途中で落ちてしまいますが、ジベレリンの刺激によって木は「受粉が完了した」と錯覚し、実を落とさずに維持します。

続いて2回目の処理を満開の約10〜15日後に行います。種子が存在しない果実は本来大きく肥大しませんが、再びジベレリンを与えることで細胞分裂と肥大を強力に促進し、通常の種ありぶどうと同等以上の大粒な果実に育て上げます。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。