実務で非常によく直面するのが、「PHONETIC関数を入力したのに、漢字のまま表示されてカタカナにならない」というトラブルです。この現象は関数の不具合ではなく、Excelのデータ構造に起因しています。
PHONETIC関数は、Excel内でキーボード入力された際の「ふりがな情報(入力履歴メタデータ)」を参照して読みを出力します。そのため、Webブラウザや他社システム、CSVファイルからコピー&ペーストした文字列にはふりがな情報が埋め込まれておらず、関数が読み仮名を取得できずに元の漢字をそのまま返してしまうのです。
この問題に対処する方法は主に3つあります。
① ふりがな情報を再生成する(ショートカット)
該当セルを選択して「Shift + Alt + ↑(上矢印)」を押すと、Excelが内蔵辞書を参照して自動的にふりがな情報を割り当てます。件数が少ない場合はこの方法で手軽に修復可能です。
② フラッシュフィルを活用する
前述の「フラッシュフィル(Ctrl + E)」は、セル内のふりがな情報に依存せず、AI的なパターン認識で漢字の読みを推測してカタカナ化します。コピペしたデータであっても高い精度で変換が可能です。
③ VBA(マクロ)で一括付与する
何千件もの大量データがある場合、VBAを実行して全セルのふりがなを一括生成するのが最も確実です。対象範囲を選択して以下のコードを実行します。
Selection.SetPhonetic
この1行を実行するだけで、選択範囲の全セルにふりがな情報が一括で付与され、PHONETIC関数が正常にカタカナを返すようになります。