誠成公倫と芸能界の接点がこれほど人々の好奇心を刺激し続ける背景には、教団が持つ極めて特異な立ち位置があります。1950年代に創始者である八島成樹氏によって始められた誠成公倫会は、一般的な宗教団体のように街頭でパンフレットを配ったり、戸別訪問を行ったりする手法を一切取りません。完全な紹介制・会員制に近い形態を取り、信者同士の口コミによってのみ輪を広げてきた歴史を持ちます。
新興宗教と芸能人の関わりが週刊誌を賑わせる際、多くの場合は派手な広告塔としての活動や献金トラブルが焦点となります。しかし、誠成公倫の場合は教団側から芸能人の名前を公表して宣伝に利用した事例はほぼ皆無です。それにもかかわらず誠成公倫の芸能人に関する噂が絶えない最大の理由は、教団が提供してきた「個人指導(面談)」の性質にあります。
創始者の八島氏は、訪れる人々の生活相談や健康不安、対人関係の悩みに対して具体的な助言を行うことでカリスマ的な支持を集めました。浮き沈みが激しく、常に精神的な重圧に晒される芸能人や会社経営者、プロスポーツ選手にとって、厳重にプライバシーが守られた空間で個人的な指針を得られる場は貴重な避難所として機能した側面があります。「あそこの指導を受けると仕事運が好転する」「体調の悩みが消える」といった口コミが、昭和から平成にかけて関西の興行関係者やプロダクション関係者の間で静かに共有されたことが、芸能界とのパイプを生む土壌となりました。