プリン体はなぜ体に悪い?生命の必須成分が激痛を招くメカニズム

プリン体はなぜ体に悪い?生命の必須成分が激痛を招くメカニズム

プリン体はなぜ体に悪い?生命の必須成分が激痛を招くメカニズムについて分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

ちまたで「体に悪い物質」の筆頭格として扱われるプリン体ですが、生化学の観点から見れば、これが存在しなければ人間は一秒たりとも生きていけません。プリン体とは、細胞の核酸(DNAやRNA)を構成するアデニンやグアニンといった塩基の総称であり、細胞分裂や遺伝情報の伝達、さらには全身の筋肉や臓器を動かすエネルギー通貨「ATP(アデノシン三リン酸)」の中核を担っています。

では、なぜこれほど有益な物質が悪玉視されるのでしょうか。決定的な理由は、プリン体が体内で役目を終えて分解されたあとに生じる最終代謝産物、すなわち「尿酸」の性質にあります。

多くの哺乳類は「ウリカーゼ」という酵素を持っており、尿酸を水に溶けやすいアラントインへとさらに分解して尿中に難なく排泄できます。しかし、人類の遠い祖先は進化の過程でこのウリカーゼの活性を失いました。結果として、ヒトの体内において尿酸は「極めて水に溶けにくい燃えカス」として体内に残りやすくなったのです。

血液中の尿酸濃度が一定の限界(7.0mg/dL)を超えると、溶けきれなくなった尿酸は鋭利な針状の結晶へと姿を変え、関節組織などに沈着します。これが免疫細胞を刺激し、火を噴くような激痛を引き起こします。つまり、「プリン体が毒物だから体に悪い」のではなく、「プリン体を処理しきれずに生じた尿酸が体内で結晶化し、組織を攻撃するから体に悪い」というのが医学的な真相です。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。