ANYCOLORを率いる田角陸CEOの視線は、常に国内市場の先にある。同社が牽引するにじさんじプロジェクトは、今や国内のYouTubeに留まらず、中国市場のbilibiliや英語圏へのアプローチを含めたグローバルなIP展開を加速させている。
この世界戦略に伴い、近年のオーディションで求められる人材要件にも明確な地殻変動が起きた。語学力そのものよりも、多文化が入り乱れるチャット欄のカルチャーを即座に察知し、国境を越えて熱狂を生み出せる「デジタルネイティブな嗅覚」が重宝されているのだ。
単なるライブストリーミングの枠組みを超え、音楽ライブ、グッズマーチャンダイジング、メタバース空間でのファン体験へと多角化する事業構造の中で、タレントは単なる演者ではなく、IPの共同創作者としてのポテンシャルを問われている。