食事の前後には、歴史のドラマに思いを馳せる散策ルートを組み込みたい。すぐ目の前にそびえ立つ楠木正成の騎馬像は、圧倒的な躍動感で見る者を惹きつける。高村光雲ら明治の巨匠たちが情熱を注いだ彫刻を仰ぎ見たら、そのまま砂利道を踏みしめて二重橋方面へと足を伸ばそう。白壁の伏見櫓と緑の松、そして濠の水面が織りなす景観は、絵画のように完成されている。
四季折々の移ろいも鮮やかだ。春の柔らかな新緑、秋に黄金色へと染まるイチョウ並木、冬の澄み渡る青空。足元から響く玉砂利の音に耳を傾け、江戸城の遺構を巡る。わずか1キロメートルほどの周回コースながら、心地よい疲労感とともに食欲が研ぎ澄まされていくのを実感できるはずだ。