本作において、SNSを中心に社会現象級の反響を巻き起こしたのが、坂口健太郎演じる「菅波先生」と、永瀬廉演じる幼なじみ「りょーちん(及川亮)」の存在でした。
菅波光太朗は、初登場時こそ理屈先行でコミュニケーションが苦手な堅物として描かれていましたが、百音のひたむきさに触れる中で徐々に人間味を開花させていきました。手すらなかなか握らない慎重すぎる2人の距離感は、毎朝Twitter(現X)で「#俺たちの菅波」がトレンド1位を独占するほどの熱狂を生みました。「あなたの痛みは僕には分かりません。でも、分かりたいと思っています」という名台詞をはじめ、誠実さを具現化したようなキャラクター造形は朝ドラ史に残る名准主役と言えます。
一方、King & Princeの永瀬廉が演じた及川亮は、震災で母を失い、生活が荒れてしまった父・新次(浅野忠信)を支えながら若手漁師として生きる青年です。影を抱えながらも周囲には明るく振る舞い、時に見せる痛切な孤独や諦念は、アイドルという枠を完全に超越した迫真の演技として批評家筋からも絶賛を浴びました。「誰も悪くない」からこそ行き場のない悲しみを抱えた亮の葛藤は、本作が描こうとした「被災地の複雑な現実」を象徴する重要な核となりました。